でも何をすれば良いんだろうか・・・
社会人になると「ビジネススキルを向上したい」と考える方は多いかと思います。
もちろん担当している業務によって、必要となるビジネススキルは異なります。
人によってはシステムの開発スキルが必要になる方もいるでしょうし、人によってはプレゼンテーションスキルが必要になる方もいるでしょう。
私の場合は事業企画を担当してきましたので市場調査のスキルというのは高める必要がありました。
この経験のおかげで他の人よりも市場調査の基本的な手法については理解しているかと思います。
しかしながらこのような市場調査のスキルといったものは市場になかなか情報が出回っていません。
今回は市場調査等の手法を知りたい方向けに簡単ではありますが、私が身に付けた基礎的なノウハウを共有したいと思います。
初めて業務を経験した時は全くの手探りで非常に苦労したので、これから事業企画やリサーチの仕事をするという人の参考になれば幸いです。
Contents
世の中の大きな流れを作るのは国であることを理解する
世の中の流れは本当に早いです。
インターネットが生まれてからというもの、様々な情報に素早くアクセスできるようになり、技術も加速度的に発展しています。
ではこの時代の流れと方向性は自然に生まれ、自然に決まるものなのでしょうか?
これは半分正しく、半分間違っています。
基本的に世の中の流れというのは大体は国が決めた方向に進んでいきます。
さまざまな企業が新たな技術を生んだり、新たな流行をつくったり、といった部分を見ていると各企業が作っているようにも見えますが、おおまかな流れというのは国が舵をとっています。
国が
と舵をとることで、多くの企業が、
と考えます。
そうすることで人、モノ、金がその分野に投資され、世の中が大きく動きます。
そして各企業の頭の良い人たちが、その分野のニーズを世の中に作り上げるためにマーケティング戦略を練り、消費者のハートに語りかけます。
こうやって世の中の大きな流れができ、市場が確立されていくわけです。
一方で規制によってなかなか産業化が進まない分野もあります。
医療・農業・教育・雇用といった領域には岩盤規制があると言われますね。
規制をかけることによって新規参入がしにくかったり、産業化が難しくなったりします。
これもある程度国が世の中の流れを作っている一例ですね。
※これはそもそもビジネスパーソンとして意識しておくべき点です。
情報の流れとメディアの特性を理解する
国が大きな流れを作っていることは上でお伝えした通りです。
次に理解すべきは、国の出した情報がどのような流れで私たちが触れる情報に加工されるのかについてです。
私たちが触れる情報はかなりの脚色が入っている
私たちが普段生活していて触れることができる情報は色々な視点での脚色や加工が入っています。
テレビのニュースやネットニュース、普通の生活をしていて受動的に受ける情報は憶測やポジショントークも多く入っているので、情報の純度で考えるとあまり良くないです。
基本的には情報の流れは以下のような流れになります。
見てわかるように純粋なデータについては最上流の官公庁/自治体URLに自らアクセスして確認する必要があります。
まずはこの流れを理解して、自分がこれまで触れてきた情報がどこに位置するのかを把握することが大切です。
各種情報の特徴を理解する
上の情報の流れを理解したら、次に重要なのが各情報源の特徴を理解することです。
各情報源が持つ特徴は簡単にまとめると以下のような内容になります。
官公庁の情報にアクセスするのはマストです。
まずは世の中全体の流れがどのような方向に向かっているのか、どのような技術で戦おうとしているのかを知ることが重要です。
そのあとの情報については上の図を確認した上で必要な情報にアクセスしてください。
個人的なおススメはシンクタンクの情報
個人的にはシンクタンクの情報にアクセスすることをおススメします。
というのもシンクタンクのレポートの場合、これまでの流れと合わせて詳しい業界分析等のデータを確認できる可能性が高いからです。
各シンクタンクのレポートは以下のURLから確認できます。
※有料のものは購入する必要があります。高いので会社のお金で買いましょう。
細かい部分を詰める、業界トレンドを見るのは民間調査機関
シンクタンクデータでは細かいところまで見れなかったということであれば民間調査機関の出している情報を確認するのも良いかと思います。
民間調査機関はさまざまな企業から依頼を受けて調査をおこなっています。
また、民間調査機関各社はこの調査データの一部も含めて、周辺領域の情報を簡単なレポートとして別商品としても販売しています。
民間調査機関各社が発刊するレポートを見ることによって、各事業会社がどのような領域に目をつけているのかは大体分かります。
このような業界のトレンドを見る上でも調査機関の情報を確認するのは良いかと思います。
おススメは富士経済のレポート一覧ですので一度見ると参考になるかと思います。
大まかな流れをつかんだらミクロの調査
意外に活用できるのが週刊誌/月刊誌情報
上記の流れを読むことで、自社が取り組もうとしている事業領域の可能性やポテンシャルはだいたい見えてくるかと思います。
しかし見えてくるのはあくまでも業界の流れになるため、競合調査も必要になります。
競合調査の場合は業界紙を活用すると情報自体は確認しやすいです。
あとは各種週刊誌などのメディアを定期購読契約してバックナンバーを確認するというのも有効な方法です。
週刊ダイヤモンドや東洋経済などではその時々の時流に乗ったサービスやビジネスが取り上げられることが多いです。
その際にインタビュー記事なども掲載されていると、事業展開の難しい点なども確認することができます。
これは結構地道ではありますが、ご自身の関係する領域の雑誌は購読をおススメします。
これはレポートよりもインタビュー記事が載っているようなものの方が得られるインサイトは大きいです。
失敗事例もストックしておく
週刊誌等の情報をさかのぼって収集すると、場合によっては失敗事例に当たることもあります。(例えば、すでに提供を停止しているサービスのインタビュー記事等ですね)
その際には是非その失敗理由も考えてストックする様にしておきましょう。
「勝ちに不思議の勝ち有り、負けに不思議の負けなし」とはよく言ったもので、失敗事例には必ず理由があるのでとても参考になります。
しかも失敗事例はなかなか世の中に出回らない情報なので、それを発見できればかなりレアな情報です。
自社ビジネスでは失敗しないようにしっかりと自分の知識にストックしておきましょう。
展示会や顧客からのヒアリングもあると尚良し
あとは自分の足で稼ぐことになるのですが、新サービス等はその業界関連の展示会に出展される可能性が高いです。
なので、業界イベントなどにも注目し、各社の製品担当者にヒアリングを実施するのも手です。
まぁここら辺はすでにガチガチぶつかっている場合は難しいかもしれないですが、新規参入を検討しているとかであれば割と話を聞きだせます。
あくまでお客さんのふりをすれば良いだけですから。
あとは、ターゲットになりそうな顧客に直接ヒアリングするのも手です。顧客からライバル社の情報を聞けるということも実は良くある話ですので。
まぁここは常にお客さんと良好な関係を創り上げておくことが重要ですね。
ビジネスモデルを理解しておく
ビジネスモデル解説本で簡単なフレームは理解しておく
市場調査の基礎的な部分は上記でお伝えした通りですが、自分でビジネスを考える際にはビジネスモデルのストックが多くあると良いです。
今は本屋に行けば様々な本が売っているので、自分と相性の良さそうなものを一冊購入して是非参考にしてみてください。
色々なモデルがあるということを理解して、他社がどのようなモデルなのか、どのようなメリットがあるのかを理解すると良いでしょう。
そのビジネスモデルの核が何かを常に考えること
ビジネスモデルの本は一冊読んでおいてくださいとお伝えしましたが、一点注意してほしいこともあります。
ビジネスモデルをまとめた本は分かりやすいのですが、そのモデルが実現可能かどうかは社内リソースにも大きく影響を受けます。
また、モデルそのものは簡単に見えても、社内でのオペレーションや人的リソースなので他社には簡単にまねできないモデルというものも紛れ込んでいます。
洗練されたビジネスモデルほど、外からは簡単なモデルに見えて緻密なバランスで実行可能になっているものも多いです。
自分の中で、そのモデルを成立させるためのキーポイントは何かを常に考えることをクセにしておくと尚良いです。
まとめ
最後の方にビジネス企画の話までしてしまいましたが、今回は市場調査の方法についてお伝えしました。
結構ネット調査をしている人は多いと思いますが、事業をするという場合は大元の情報までさかのぼってほしいと思います。
どの領域で事業展開するのかを考える際には国の大まかな方向性に乗った方が間違いなく息が長いです。
特に市場の立ち上がり期に参入することができれば恩恵を受けられる可能性は高いです。(予算をとれる可能性もありますし)
これまで情報の流れや各メディアの発信する情報の特性を意識せずに調査をしていた人は、是非参考にしてもらえればと思います。
今回はかなり基礎的なところでしたが、気が向いたら更に細かい話も書いていきたいと思います。
それでは今回は以上です。