コンサルティング業界、シンクタンク業界への転職をする場合、企業によってはテストを課されることがあります。
転職者の場合は新卒就活の時期に受けたことがあるかと思いますが、企業ごとに異なるテストを受けることになります。
過去にテストを乗り越えたことのある方々も、久しぶりの受験となると当時とは勝手が違います。
テストは対策次第でなんとでもなるものなのでしっかりと対策しましょう。ここで慢心して落ちると勿体ないです。人生かかってますからね。
Contents
まずはテストの大枠を知る
コンサル業界、シンクタンク業界への転職をする場合、ほとんどの会社でテストを課されます。
テストの内容は大きく以下となります。
・SPI:言語(2語の関係/語句の意味)など※含英語、非言語(推論/確率/集合/領域など)
・玉手箱:四則演算、図表読み取り、表の空欄推測、論理的読解※含英語など
・TG-WEB:言語(長文読解/空欄補充/並べ換え)※含英語など、係数(暗号/展開図など)
・TAL:性格検査の質問、図を使用したお絵かき
・ケース問題:「A製品の売り上げを二倍にするには?」といった思考テスト
・その他企業独自のテスト:論文作成など、会社によってバラバラ
どのタイプのテストが課されるかは企業によって異なりますが、私が受けた会社を含めて、どの会社がどのテストを課してくるかをリスト化しているので、是非参考にしてください。
※時期によって異なる可能性があるので、最新情報はエージェントに確認してください。
上記内容を見てもらうと分かりますが、基本的に各社何らかのテストを選考途中に課してきます。
特にケース問題に関しては、コンサルは全ての企業が課してきますので対策が必要になります。
英語力に関してはテストの中で課されることがあったりなかったりとバラバラです。
無い場合は英語が苦手な方でも逃げ切れるので安心してください(笑)
それではここから、各テストの簡単な内容と対策についてお伝えしたいと思います。
特にご自身が受けることになる企業についてはしっかりと対策するようにしてください。
それぞれ例題としては以下のような内容です。
SPIは言語、非言語ともに広範囲。非言語は高校数学のイメージ。
SPI(言語)
SPIの言語(二語の関係)では以下のような内容が問われます。
問:最初に示された2語の関係を考えて、同じ関係の対になるよう( )に当てはまる言葉を選びなさい。
触覚 : 感覚
平野 :( )
A.地図
B.在野
C.社会
D.記号
E.地形
他にもSPIの言語分野には「語句の意味」や「空欄補充」などがあります。
問題の形式自体は難しくないですし、パッと見簡単そうに見えますが、結構な頻度で「そんな言葉初めてみたぞ・・・」という言葉が出てきます。
例として載せた問題は簡単ですが、難しい問題も多いのでしっかりとした対策が必要となります。
SPI(非言語)
SPIの非言語では確率や推論などの問題が出ます。推論の一例は以下のような問題です。
問:登山の途中、頂上への道について、次のような3通りの発言があった。
甲:右の道は頂上へ行く道である
乙:左の道は頂上へ行く道である
丙:右か左の道の少なくとも一方は頂上へ行く道である
以上の発言は必ずしもすべてが信頼できるとは限らない。次のうち正しいものを1つ選びなさい。
A:甲が正しければ乙も必ず正しい
B:乙が正しければ丙も必ず正しい
C:丙が正しければ甲も必ず正しい
この例は推論の例ですが、確立、集合など高校数学で学んだ内容も出ます。
久々にやると不意打ちを食らう可能性もあるので、しっかりとした対策が必要です。
SPIの対策本その1
コンサル/シンクタンクを受ける方がSPIの対策をする際には以下の書籍がおススメです。
「史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集」ですね。
ちなみに、こちらの問題集に載っている問題の難易度は高いです。あれ?こんなに手こずるもんだっけ?と思った方、安心してください。慣れます。解けなかったところを重点的に復習するようにしましょう。
SPI対策本その2
もしこちらの本の解説等が理解しにくいようでしたら以下の書籍がおススメです。
「これが本当のSPI3だ!」 です。
ただこちらはちょっと難易度が落ちるので、こちらが解ける場合でも安心してはいけません。
大体の解き方が分かったら、上で紹介した「史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集」も使って対策しましょう。
玉手箱は図表読み取りと文章読解が特徴的
玉手箱の言語系問題は英語も含む
玉手箱の言語系問題は、1ページ分の文章が出されて、正しいものを選びなさい。と問われるようなものです。(ここに例題を掲載するには長すぎるのでご容赦ください)
英語問題が出題される場合もあるので、英語が苦手な方はしっかりと対策してください。
日本語の問題は正直難しくないです。割とさっさかと解けるかと思います。
玉手箱の図表問題も慣れが必要
玉手箱は図表の読解問題が出るのが特徴的です。図表問題は以下のような内容です。
イタリアの自動車保有台数は、イギリスの自動車保有台数に比べておよそ何万台多いか。最も近いものを以下の選択肢の中から1つ選びなさい。
A: 200万台
B: 400万台
C: 600万台
D: 800万台
E: 1000万台
なお、他にも円グラフや棒グラフ、折れ線グラフから得られる情報をスピーディに判断する問題が出題されます。
電卓の使い方にも慣れておくと有利な試験です。
玉手箱対策本
玉手箱の対策本は以下となります。
【玉手箱・C-GAB対策用】8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【1】ですね。
難易度的にもこの一冊で十分だと思います。
サクサクッと対策しましょう。
TG-WEBはSPIと玉手箱のごちゃまぜ問題のイメージ
TG-WEBの言語問題は英語も含む
TG-WEBの言語問題はSPIで課されるような「語彙問題」があったり、玉手箱で課されるような「文章問題」があったり、英語問題もあったりと幅が広いです。
回答時間も短いので手際よく解きましょう。
TG-WEBの係数問題は推論や図表読み取り
係数問題に関してもSPIで課されるような推論問題や、玉手箱で課されるような図表の読み取りがあったりと、対象範囲は幅広いです。
苦手意識を持たずに解き進められるように対策をしてください。
TG-WEBの対策本はこれ一択
TG-WEBの対策本は以下の本になります。
こちらの本を一冊やれば問題ないと思います。
形式に慣れてしまえば問題自体の難易度が高いわけでもないので、形式に慣れることを意識して下さい。
TALは性格検査のための試験
TALはアンケートとお絵かき
TALのテストはいわゆる計算テストや英語テスト、国語力のテストではありません。
簡単な質問に答えるアンケートのようなものと、お絵かきのような内容です。
簡単な例題だと以下のような質問に答えるような形式です。
質問:毎日の仕事が同じ場合自分にあてはまるのは?
(2つ選べ。2つ選べない場合は1つでも可)
・飽きるような仕事でも全力を尽くすべき
・進歩が無く心配になると思う
・上司に相談し、仕事内容を変えてもらう必要がある
・単純でも仕事は仕事として遂行する必要がある
・仕事内容を変えないと、進歩や発展はできない
・飽きるようならば、仕事内容を自分で工夫すべきである
・飽きると思う
このような質問に複数回答することで、回答者の精神安定性を確認するようになっています。
また、いくつかの図形を与えられて、
図を使って〇〇を表現した画を書きなさい
といった課題も与えられます。(ちなみに、新卒の就活含めて「入社後に活躍する自分を描きなさい」といったお題以外見たことありません)
TAL対策本
対策などは以下の書籍に掲載されているので一読すると良いかと思います。
【WEBテスティング(SPI3)・CUBIC・TAP・TAL対策用】8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【3】ですね。
正直なところ時間をかけて対策するものでもないので、書籍を一読してすぐに受けても問題ないかと思います。
ケース問題はコンサルティング会社には必須
ケース問題は思考プロセスを理解すれば難しくない
コンサルティング会社を受ける際にはケース問題というのが出されるのが通常です。
※なぜかシンクタンクではほとんど出されません。
良くあるのが以下のような問題です。
〇〇の売り上げを2倍にする方法を考えよ
〇〇の中身は結構気まぐれで出たりします。一応他にも「〇〇を防ぐ方法を検討せよ」といった数字以外の課題を与えられることもあります。
いずれにしても思考プロセスさえしっかり対策できれば問題ありません。
ケース問題の対策本は一択
ケース面接の対策は以下の1冊で十分です。
「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」ですね。
この一冊に全てが集約されています。思考プロセスを頭に叩き込めば問題ありません。
念のために時間のある人はフェルミ推定対策も
ケース面接と似たような内容ですが、フェルミ推定もケース面接の考えを補うことがあります。
ケース問題が「策」を問うのに対して、フェルミ推定問題は「特定のものの数」を問います。
例えば「日本のマンホールの数はいくつか答えなさい」といった内容です。
勿論正確な数字は出せないのですが、頭の中にある数字からロジックを立てて、数を推察します。
「日本のマンホールの数はいくつか」という問いであれば、日本の面積、日本の都市部と山間部の比率、マンホールの占有率などから推察します。
マンホールの占有率なんて知らないよ!!という場合(というかふつう知らないですよね)でも、これまで町を歩いた経験から「だいたいこれくらいだよね」といった、ある程度納得感のある説明ができればOKです。
ただ、日本の国土面積とかはある程度常識の範囲かと思うので、そこら辺は覚えておいてほしいです。
常識のレベルがどの程度あるのか、分からない数字に対して「それらしい理屈」を立てて粘り強く考えることができるか、といったことを上手く見る問題だと思います。
常識のレベルをあげるための数字情報や、推定のためのロジック構築方法は以下の書籍で対策できます。
「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」ですね。
パズルのようなものなので、ハマる人はハマります。
ケース面接の一助になるとお伝えしたのは、例えばケース問題で
〇〇の売り上げを2倍にする方法を考えよ
といった問題が出た時に、「現時点でおそらく売り上げは△△程度だから、2倍にするってことは××まで上げないといけないのか・・・」ということが分かり、説得力のある提案ができるためです。
ですので、念のためフェルミ推定も対策しておいて損はないかと思います。
フェルミ推定の意義が理解できない、納得できない人は
ちなみに、フェルミ推定の意義が理解できないという人は一定数います。
分からない数字を仮説の上に仮説を重ねて推察することに気持ち悪さを覚える人もいるでしょう。
そのような方は以下の書籍も参考にしてみてください。
「地頭力を鍛える」です。
私も最初はフェルミ推定なんて意味ないよ。ググればいいじゃんと思っていましたが、この本を読んでフェルミ推定の本質を捉えられていないことが分かりました。
今後のキャリアを考える上でも重要な考え方がこちらの本に書かれているので、時間のある方はご一読ください。
その他の企業オリジナルテストはエージェントに相談
コンサル/シンクタンクの試験対策は基本的にはこれまでお伝えしてきた内容になりますが、企業によっては独自テストを課す場合があります。
独自テストに関しては各企業ごとに対策するしかなく、もちろん書籍もないので、エージェントに相談し、各々でご対応いただければと思います。
エージェントはこれまで課された問題についても社内に蓄積しているはずなので、相談すればサポートしてくれるはずです。
まとめ
今回はコンサル/シンクタンク転職の最初の課題である、テスト対策についてお伝えしました。
各種試験の対策については、すでに市場にノウハウが出回っているので、いくらでも対策が可能なものになってきています。
しっかりと対策をすれば、手も足も出ないということはありませんし、普通に通るものだと思うので、時間を取って対策しましょう。
転職は人生の大きな分岐点です。人生のかかった試験になると思うので、よく対策して、悔いのないようにしましょう。