ベンチャー企業を1年で退職した理由と言いつつ、前回記事までは全く退職理由についてお伝えできませんでした。
3連載記事の最後となりますが、今回の記事で私がベンチャー企業を1年で退職した理由をお伝えしようと思います。
Contents
ポジティブな退職理由
目標を達成してしまった
前回の記事でお伝えしましたが、私はベンチャー企業に転職するにあたりいくつかの選定基準を設けていました。
その中でも、以下の内容は今後のキャリア形成のために重要だと考え、数値目標など具体的な目標も立てた上で転職しました。
事業の内容にかかわるので、詳細な数字の記載は避けますが、ありがたいことに1年経つころには元々掲げていた目標を達成してしまいました。
マーケット感覚や顧客折衝についても学ぶことができましたし、事業を回すうえでちょっとした業務プロセスの改善が大きなインパクトを持つことも経験を通して学ぶことができました。
また、ベンチャー企業が新規事業を立ち上げるスピード感も近くで見ることができました。(自分が関わることができなかったのは残念ではありますが・・・)
自分が想像していたよりも早い段階で目標を達成したことが、1年という短期で退職をするに至った理由の1つです。
ネガティブな退職理由
個人の次なる成長を目指した際にイメージが湧かなくなった
上でお伝えした通り、事前に想定していた目標を達成したのと近しい理由になりますが、自分の中で次の成長機会が見えなくなってしまいました。
もちろんマネジメントなど、プレイヤーから離れた領域での成長機会はあったのですが、「この会社でやるべきか・・・」と考えた時に、別の会社も視野に入れて考えようという気持ちが大きくなってしまいました。
会社のビジョンやプロダクト、組織文化にはとても満足していたのですが、他の会社を視野に入れたのには下でお伝えする懸念点が大きくなったためです。
幹部ポストは創業メンバーで埋まり、新事業の幹部ポジションも外から迎え入れていた
私の所属していた会社は、私が転職するタイミングでは従業員200名程度、退職するときには従業員300名程度になっていました。
成長企業だったので、それに合わせて新しい幹部ポストもできてきます。
しかしながらこのポストに入るのは生え抜きの社員ではなく、外部からヘッドハントしてきた社員ばかりでした。
ある程度勤めていると社内の人事についても意思決定プロセスが見えてきますが、このような状況を見るうちに、「長くいても上に上がって幅広く仕事をするタイミングが来るのか・・・」と不安を感じました。
やはりうまみは社員数50名とかの時期に入った人間が享受できそうですね(笑)
給与の予測がつかない環境に将来の不安を感じ始めた
ベンチャー企業に転職したのが20代中盤です。
そのころは正直なところ給与よりも、自分が今後も社会で通用する人材になれるのかといったことへの関心の方が大きかったです。
なので私は100万円ほど年収ダウンも受け入れた上でベンチャー企業に転職しています。
※私の場合は未経験のポジション(企画系→営業系ポジションへのキャリアチェンジ)だったので年収はダウンしています。
自分としては求めていた経験ができましたし、転職市場でも評価される経験ができたので、あの時思い切ってチャレンジして良かったと思っています。
しかしながら、ある程度自分の求めていた経験ができてしまうとどうしても給与が気になるようになってきます。
正直アラサーに近づくとライフイベントのことも考え始めますからね。。。勢いだけでは生きていけません。
また、当初ボーナスは数十万と聞いていたものの、全くそれに満たない金額で想定していた年収よりも低かったことの影響も大きいです。
業績連動なのでしょうがない部分は有りますが、ベンチャーでは給与についても想定通りいかないということはシビアにとらえておくと良いと思います。
会社役員(株主)のために働いているという感覚になってしまった・・・
また、ある程度仕事をこなせるようになって難しい案件を対応することがあっても年収が上がらないとなると、どうしても株主のために働いているという感覚が強くなってしまいます(笑)
厄介なことに、一度こういった考えになってしまうと、マイナスの考えが頭を占領してしまいます。
ストックオプションがあれば変わるのかもしれないですが、私はストックオプションを持っていなかったのでモチベーションが徐々に下がっていってしまいました。
まぁストックオプションなんかは実際に事業を始めた経営者が創業当初に背負ったリスク、今も背負っている責任を考えると、私なんかが簡単に享受できるものではないので考えるだけおこがましいのですが、当時の私は若かったですね(笑)
ベンチャーに転職しようとする人に意識してほしいこと
自分の中でベンチャー企業に求める経験を明確にしておく
これは転職する場合はしっかりと検討しているかと思いますが、ベンチャー企業に求める経験は明確にしておきましょう。
これができていれば、基本的には仕事に熱中できると思います。
ベンチャー企業は非常にチャレンジングで周囲のモチベーションも高いので、やりたいことはやれる環境が準備されているかと思います。
※もちろん個別企業の社風はしっかりと確認してくださいね!
目標が明確であればあるほど短期で得たい経験を得ることができ、キャリア構築にプラスに働くかと思います。
年齢とともに価値観が変わることを理解しておく
年齢を重ねるごとにどうしても価値観は変わってきます。
特にアラサーになると、周りの人は結婚しはじめ、給料も徐々に上がっていくモードに突入します。
20代中盤であればこのようなことはそこまで意識せずに「やりがい」などでも仕事に熱中できますが、特に高学歴で友人がある程度の年収を得ていることを見ると、どうしても気にしてしまいます。。。
自分はそんなことない!!覚悟は決まっている!!という方もいるかと思いますが、考えるだけならタダなので少しだけでも意識しておいてください(笑)
ちなみに28歳からのリアルという本に書かれていることは結構核心をついているので興味のある方は一度読んで、どのような心境に変化するのかを意識しておきましょう。
念のためベンチャー企業の次のキャリアを意識しておく
私はベンチャー企業を辞めてコンサルタントという道を選択したわけですが、この道は新卒入社をした会社を辞める時からすでに考えていた道です。
この選択肢を意識できていたことで、ベンチャー企業を辞める時もある程度次の道を想像できていました。
もっと言うと自分を拾ってくれる人も見つけて連絡は取るようにしていました(笑)
ベンチャー企業で勤め続けることが難しくなる場合も有り得るので、できればネクストキャリアも意識しておくと良いでしょう。
ちなみにある程度の学歴があって、面接対策などもできれば今のコンサルティングファームに入ることは十分可能かと思います。
さいごに
ベンチャーにいったことは間違いなくプラスだった
ベンチャー企業を1年で退職した理由について3連載でお伝えしてきました。
私の場合は良い高校→良い大学(早慶)→良い会社(日系大手)→ベンチャー(200人規模)と、いわゆる日本で良しとされているレールから外れてベンチャー企業に飛び込みました。
個人的にはこの選択をしてよかったと思っています。
今も日系大手に居た場合、ずっと同じことに悩んでいたということは簡単に想像できますから・・・
ベンチャーにいくことで様々な経験をすることができ、アグレッシブなマインドを持つ同僚との人脈も築くことができましたことは、確実に自分の資産になっていくと思います。
なので個人的には大手企業でくすぶっている人にはベンチャー企業で良い経験を積んで、よりよいキャリアを作ってほしいと思っています。
私の経験がどの程度参考になるかは分かりませんが、これまでのレールを外れてベンチャー企業に行こうか悩んでいる人の参考になれば幸いです。
ベンチャーに転職しようと思っている人は、上でお伝えした「ベンチャーに転職しようとする人に意識してほしいこと」も確認してもらえればと思います。
それでは今回はこの辺で。