キャリスキライフLabo
人生がときめくキャリアとスキルと生活の研究
ベンチャー転職

転職エージェントのビジネスモデルが分かれば活用方法は見えてくる

終身雇用の崩壊、人材の流動化、ビジネスサイクルの短期化などの影響を受け、個人のスキルアップやキャリアアップを目的とした転職を意識する人も増えてきているように感じます。

このような状況下で初めて転職活動をする方の中には転職エージェントに相談しようという方も多いかと思います。

しかしながら、この転職エージェントも活用の仕方によっては、あなたにとってプラスになることもあれば、残念ながらマイナスになってしまうこともあります。

今回は20代で2回の転職をおこない7社のエージェントを使い倒した私が、転職エージェントのビジネスモデルの観点からエージェントの使い方をお伝えしたいと思います。

まずは転職エージェントのビジネスモデルを理解する

転職エージェントのお客さんは誰か

転職エージェントのお客さんは誰でしょうか?

転職エージェントは私たちの転職に関する悩みや相談にのってくれます。

しかし不思議なことにその相談は全部無料。

それでは転職エージェントはどのように儲けを得ているのか。

既に知っている方も多いかと思いますが、転職エージェントは求人を出している会社からお金を貰っています。

基本的に企業にとってのお客さんとはお金を払ってくれる人です。

つまり、転職エージェントにとってのお客さんはあくまでも求人企業になります。

では「紹介されるあなた」はどのような存在か

そうすると転職エージェントにとって転職しようとしている「あなた」はどのような存在になるでしょうか。

それはあくまでも「商品」という存在です。

ココだけ聞くとあまりいい気分はしませんね・・・

でもこれが正しい捉え方です。まずはこの理解から始める必要があります。

以下の図がここまでの話のまとめになりますね。

ちなみにここで書かれている「紹介報酬」は紹介した人材の「年収の数十%」となるのが通常です。

年収500万円の人を入社させることができれば安くても50万円程度は人材紹介会社の懐に入ってくるわけですね。

「エージェントに相談する前のあなた」はどのような存在か

ここまで「企業に紹介されるあなた」はあくまでも「商品」ですよということをお伝えしてきました。

ここまでの話はご理解いただけたでしょうか。

もしかしたらこのような話はすでに意識している人は多いかもしれません。

しかし本当に重要なのはここからです。

では次の質問です。

アンディ
アンディ
「エージェントに相談する前のあなた」は転職エージェントにとってどのような存在でしょうか?

 

 

答えは「原材料」です。まだ商品にすらなっていません

モノ売りのビジネスを想像してもらうと分かりますが、原料を仕入れ、加工して初めて商品が出来上がります。

モノ売りビジネスをする会社は商品価値を高めるために、あの手この手で仕入れた原材料を魅力的な商品に仕上げる訳です。

図にすると以下のような形ですね。

ちなみにモノ売りビジネスのノウハウを持った企業は、買い手の特性を見極めてどのように磨き上げれば魅力的に映るかも熟知しています。

モノ売りをしている会社は、原材料をできるだけ高く売れる魅力的な製品を仕上げるのが仕事になるわけですね。

このモデルがそのまま転職エージェントのビジネスモデルにも当てはまります。

図にすると以下のようなイメージですね。

転職エージェントは転職市場を熟知した加工のプロ

これまでの説明で分かる通り、転職エージェントは転職市場を熟知して、どのように転職者を加工(磨き上げ)すれば魅力的になるかを知り尽くしています。

のことをしっかりと理解しておきましょう。

ビジネスモデルを理解した上で取るべきアクションは?

転職エージェントの加工力を存分に活用する

上でお伝えしましたが、転職エージェントに相談する前のあなたは転職市場における原材料でしかありません。

原材料である転職希望者は企業側にアピールするための自分の磨き方を知らない方がほとんどだと思います。

実際に転職しようとしている方は履歴書の書き方から悩む方が多いかと思います。(今すぐ履歴書を書いてくださいと言われて、うまく書ける自信がありますか?)

もちろん、この履歴書の書き方についても、あなたを魅力的に見せるためのノウハウが存在します。

そして履歴書を書くために必要なキャリアの棚卸についても転職エージェントはプロフェッショナルです。

あなたを磨き上げて、より魅力的にするために転職エージェントは全力を尽くしてくれます。

転職エージェントに期待するべきはまずはこの加工力の部分でしょう。

私は転職活動を通して複数の転職エージェントを使いましたが、この加工力が高かったのはリクルートエージェントです。

ただ、これは担当との相性といった部分も大きいので、リクルートエージェントの担当者が合わなかった場合はマイナビエージェント、dodaに相談することをおススメします。

これら3社に関しては面談時の質問を通して、私のキャリアと強みの棚卸しを上手くしてくれました。

また、履歴書の書き方についても事例を元に丁寧に教えてくれるので自分を魅力的な人材として見せるためにも、うまく活用することをおススメします。

転職エージェントの売り込み力を活用する

転職エージェントは求人企業に対してできるだけ高値であなたを売るように努力します。

求人企業からの報酬は「紹介した人材の年収の数十%」ということは上でもお伝えしました。

ですので、基本的に転職エージェントとしては“あなたの年収が高くなるように”交渉してくれます。

年収は高い方が良いという方がほとんどかと思いますので、年収交渉についても転職エージェントをうまく利用しましょう。

意志ある商品として自分の意見をしっかり持つ

転職エージェントは転職市場を知り尽くしたプロであることはお伝えした通りです。

ここまでは“あなたのことをより魅力的にしてくれますよ”といったポジティブな点をお伝えしましたが、“あなたを売りやすく、お金に換えやすい市場”についても知り尽くしています。

エージェントからすると、「手間をかけずに高く売れる市場があればそこに売った方が良いな」といったインセンティブは少なからず働いてしまいます。

一部の悪徳なエージェントに当たってしまい、あなたの意思もしっかりしていない場合、ただお金になる会社に売りつけられてしまう可能性もあります。

このようなことを避けるために、あなたが転職先に求めること(志向性)をはっきりさせておくこと、自分でも複数の求人情報を確認しておくことが重要です。

求人情報についてはリクナビNEXTなどで独自に収集することも可能ですので、転職エージェントだけに頼らずに自分の力でも情報収集するように注意しましょう。

また、念のため転職会議などのサイトで企業の実態を確認しておくことも重要です。
※この口コミは結構信頼度が高いので確認はマストです。試しにご自身が過去に在籍していた企業の口コミを見ると情報の精度が分かるかと思います。

さいごに

今回は転職エージェントのビジネスモデルから、エージェントを活用する際の活用方法をまとめました。

個人的に最重要と考えるのは、さいごにお伝えした「自分の意見をしっかり持つこと」です。

転職エージェントがどこに強みを持っているのか、何にインセンティブを感じるのかを知った上でうまくコントロールすることで初めてエージェントを活用する価値が生まれます。

もちろん転職エージェントの意見も参考にするのには良いですが、どのようなインセンティブが働いているかは理解した上で話を聞きましょう。

よりよいキャリア構築ができるよう、今回の記事が参考になれば幸いです。