前回の記事では年収アップに必要な視点について説明させていただきました。
年収アップについては前回の記事に書いた内容を意識できればほとんど問題ないかと思います。
本気で年収アップを狙うなら、年収の高い業界を狙うようにしましょう。
とはいえ、前回お伝えした内容はそこそこに知られている話。今回は、業界によって年収が変わることを理解した上で、最後のダメ押しで年収アップさせる方法について説明したいと思います。
Contents
年収は交渉次第で最大化できる
会社の提示年収は内定が出るまで分からない
転職活動で年収が提示されるのは全ての面接が終わり、内定が出るタイミングになります。
履歴書を提出し、テストを受け(ない場合もある)、数回の面接を受け、内定!!となった後に初めて「あなたの年収は〇〇円です。入社しますか?」となるわけです。
転職活動の最後の最後で、やっと年収を伝えられるのです。
いわゆるオファー面談というやつですね。
オファー面談で出された年収で確定という訳ではない
しかし、このタイミングで提示された年収が確定なのかというとそうではありません。
交渉次第で提示された年収から更に釣り上げることが可能となります。
多くの人ができることなら年収は高い方が良いでしょうから、まだ気を抜いてはいけません。
年収交渉はここから戦いが始まります。
年収交渉に必要な視点
年収交渉には2つの視点が必要
さてオファー面談で年収提示があった後に年収交渉ができるとお伝えしましたが、ここで必要な視点は2つあります。
①相手の懐を探ること
②他社との競売にかけること
以上の2つです。
これから詳しくお伝えしていきます。
年収交渉に向け、一次面接時点で相手の懐を探っておく
年収交渉のためには2つの視点が必要だとお伝えしましたが、正直なところ内定が出てから交渉の仕方を考えているようではかなり遅いです。
年収交渉に向けた準備は一次面接のときから始める必要があります。
年収交渉のために相手の採用意欲を探る
転職活動では、結局のところ企業側の採用枠(採用意欲)に対してどれだけ募集者がいるか、つまり需給バランスがどうなっているかが給与額に影響を及ぼします。
この需給バランスを探ることで、強気に攻めるべきか、あまり攻めずにいたほうが良いかは分かります。
とにかく人が足りない!!猫の手でも借りたい!!という状況であれば「多少高めの給与を支払っても良い!!」という心理状況になるわけです。
例えばバブル期には好景気にも関わらず事業拡大に必要な人員が足りず、内定者を旅行に連れていくなどして囲い込みをしていました。
まさに金に糸目はつけない状態。
給与という方法ではないですが、目に見えるメリットを与えることで何としてでも自社で勤めてもらおう。という考えに至っていたわけですね。
そして中途採用では基本的に良い給料を与えることで人手を集めようとします。(外資企業はこの取り合いが激しいですね)
ですので、仮に企業側が「金に糸目はつけない状態」ということが分かれば強気の交渉ができるわけです。
ではどうやってそれを確認するのか。
それは逆質問の活用です。
中途面接は逆質問で懐を探る
中途面接の最後には基本的に逆質問の時間が設けられます。
多くの人は事業内容や仕事内容について質問しますが、それだけでは勿体ないです。
上で伝えたことを理解した上で、しっかりと相手の懐を探る質問を入れておきましょう。
意識するのは以下の一点のみです。
・採用意欲は高いか
「中途の募集枠があるってことは、どこも人が足りないんじゃないの?」と思う方も多いかと思います。それは半分正解で半分不正解です。
中途採用をしている会社にも、
という余裕のある会社もあれば、
という会社の両方があります。
前者はの会社は以下のような意図で中途採用を募集しています。
一方で、後者の会社は以下のような意図で中途採用を募集しています。
(単にブラック企業で人手が足りないという場合もありますが、これに関する対処は後ほどお伝えします)
最近は外資コンサルが事業拡大を背景に、後者のような意図で採用を増やしていますね。
とはいえ、「採用意欲は高いですか?」なんて質問できるわけないですね。
私は以下のような質問をして、相手の状況を探るようにしていました。
・部署は何名くらいの組織か
・去年と比べて人数は増えているか
・どの程度まで拡大していく想定か
・年齢構成はどうなっているか
・私くらいの年齢は多いか
あくまで働く環境を知っておきたいというスタンスです。
拡大傾向であること、採用目標人数までに大きなギャップがあることが確認できればラッキーです。
交渉権はこちらにあります。
また、会社によっては各年代の構成を気にしている場合もあるので、自分と同年齢層がいない様子が見て取れたら、これも後々の交渉に使える可能性が高いです。
組織としての成長を考えると各年代に人を置いておきたいものなので。
まぁこういった考えは日系企業に多いですね。
自然に質問をしつつ相手の採用に対する意欲と焦り具合を確認しておきましょう。
採用に積極的であれば、年収交渉でオファー年収よりも高い年収を引き出せる可能性は高いです。
逆質問で地雷は回避しておく
ただし、一点注意が必要なのは「人がすぐに辞めるから人手不足」という会社です。
こういった会社も人手不足のため年収交渉はできますが、そもそも無理な働き方を強いられる可能性があるので避けたいところです。
このような会社を避けるためにも、なぜその会社が採用意欲が高いのかも確認しておく必要があります。
そのためには以下の質問が有効です。(上でも書いた内容の一部です)
・去年と比べて人数は増えてるか
・どの程度まで拡大する想定か
この質問をすることで、なぜ採用を増やそうとしているのかが見えてくるかと思います。
また、今後会社が注力していく領域を確認し、自分の専門性とすり合わせることでも、自分に交渉権がありそうかを確認することができます。
他社のオファー内容と比較する
他社オファーと競争させる
次に考慮しておきたいのは、複数の会社からオファーを貰い「他社のオファー金額をダシに使う」ということです。
これはよくあることだと思いますが、例えば以下のような状況で交渉に使えます。
A社:650万オファー、第一志望、採用必死感有り
B社:700万オファー、第二志望、採用必死感有り
第一志望であれば多少年収が安くてもOKを出したいところですが、これは強気に攻めていいケースです。
この場合は「B社が700万オファー出してくれてる。もし同じだけ出してくれるなら即決する。650万だとさすがに悩む・・・」とでも言って交渉しましょう。
面接の逆質問の時間に探りを入れておいて、採用に必死な状況さえ確認できていれば強気に行って問題ありません。
また、この交渉のために先に第二志望のB社の年収をできるだけ釣り上げておいて、上げ切ったタイミングでA社の交渉に移るのも良いかと思います。
年収交渉のために高給オファーを出す会社の内定を取っておく
この交渉術を使うためには、高年収のオファーを出すことで有名な企業をリサーチしておき、(行く気が無くても)内定をとってしまうことが重要です。
※どの会社が高給オファーを出してくれそうかはエージェントに確認すれば分かります。経験値で把握しているはずです。
ちなみに、高給オファーを出す会社の内定はできるだけ早めに貰っておくことがおススメです。
会社によっては面接時に希望年収を聞かれることもあるので、「他社では〇〇万円程度でオファーが出そうなので、その金額を想定してます。」と伝えれば交渉もしやすくなります。(多少のハッタリも使いこなしていきましょう)
エージェントと連携して最後まで交渉する
ここまでやれば最後は転職エージェントの力を借りて交渉してもらいましょう。
転職エージェントはオファー年収の30~40%を売上として計上するビジネスです。
なのでオファー年収をアップさせることには必死です。
うまく彼らと連携して、オファー年収を釣り上げるための戦略を練りましょう。
また、転職エージェントは人事から面接の評価も聞いている場合が多いです。
その評価内容も元にして、エージェントから企業側に交渉してもらいましょう。
もちろん、面接の評価が高ければ交渉には有利です。
※大前提として、面接の中で
と思わせるのが最重要ですからね。
エージェントには逆質問で確認しておいた採用意欲の高さも共有しておくとよいでしょう。
「A社は逆質問のときに〇〇と言ってたので、採用に必死だと思います。強気に交渉してください。」といった感じです。
最後の交渉まで気を抜かずにできる限り満足度の高い状態で転職活動を終えていただければと思います。
まとめ
以上が年収交渉の具体的な手法となります。
重要なのは逆質問をうまく活用して相手の懐事情を探っておくことです。
あとはできるだけ多くの内定をもらって、企業側にオファー年収を競わせてください。
もちろん、面接の中で「是非採用したい!!」と思わせることが最重要ではありますが、逆質問も使い方によっては年収交渉に使えるということを頭の中に入れておいてもらえればと思います。
年収交渉はエージェントとの協が必須なので、転職の際にはエージェントを活用することをおススメします。
エージェントの詳しい活用方法は別の記事に記載していますので参考にしてくだい。
私の経験がみなさんの参考になれば幸いです。