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ベンチャー転職

【経験談】大企業からベンチャーへ転職するメリット・リスク・デメリット

就活の際に人気とされていた会社に入社したものの、数年経つと思ったような仕事ができていなかったり、自分のビジネススキルに不安を覚える人は多くいます。

一部にはすでに転職した人も出てきて、以前より楽しそうに仕事をしている人も出てくるでしょう。

最近では転職が割と当たり前になってきて、(就活情報サイトワンキャリアによると就活生の55%は転職前提で就活しているとのこと)キャリア形成のために転職を手段と考えることは普通になってきています。

このような背景もあり、最近では「ビジネススキルを身に付けたい!」という人、「社会課題の解決を仕事にしたい!」という人を中心にベンチャー企業への転職も注目度が高まっているように感じます。

私自身、新卒で入社した就職人気ランキングでも上位にランクインする大手企業に4年勤めた後、社員数200人程度、創立10年に満たないベンチャー企業への転職を経験しています。

最近、友人からベンチャーで働くことの質問も増えてきたので、今回はベンチャー企業への転職に興味を持つ方向けに、大手企業からベンチャー企業に転職する際のメリット・リスク・デメリットを考たいと思います。

この記事で説明するベンチャー企業の定義とは

ベンチャー企業に転職する場合のメリット、リスク、デメリットを説明する前に、こちらの記事を読んでいる方と「ベンチャー企業の意識」をすり合わせる必要があります。

ベンチャー企業という言葉に定義はない

そもそもベンチャー企業という言葉には明確な定義はありません。

となると少なくともこの記事では、まずはどういった会社をベンチャー企業というかの認識を合わせる必要がありますね。

一般的に語られるベンチャー企業とは

「ベンチャー企業」という言葉に定義はないとお伝えしましたが、一般的にメディアでは以下のような会社をベンチャー企業ということが多いです。

事業内容:ITやインターネットなど新しいビジネス領域を手がけていること
設立年数:10年程度までの比較的若い企業
従業員規模:20~300名程度までの小規模~中規模程度の会社(これより小さい会社はスタートアップと呼ばれることが多い)
※マイナビやアマテラスなどの転職サイトを参考に独自に作成

本記事では一般的に言われるベンチャー企業について説明

上記を踏まえてですが、本記事では上でお伝えしたベンチャー企業全般に言える、ベンチャー企業に転職した際のメリット、リスク、デメリットについて説明したいと思います。

※なのでLINEやサイバーエージェントといったいわゆるメガベンチャーについては除外します。

正直なところ、上記の範囲においても会社の規模ごと(ステージごと)にメリット、リスク、デメリットは異なるのですが、企業規模ごとの詳細な情報は「【企業ステージ別】大企業からベンチャー転職のメリットと注意点」にまとめているので参考にしてください。

本記事では企業規模とか細かいこと考えずにっくりと知りたいという方向けにメリット、リスク、デメリットをお伝えしたいと思います。

大手からベンチャーへ転職したからこそ感じることのできるメリットだと思って読んでもらえれば幸いです。

ベンチャー企業に転職するメリットとは

フラットな組織で働ける(部門間の壁も無い・無駄な根回しなどが必要ない)

大手企業で働く方の多くが苦労するものの一つに部門間の壁というものがあると思います。

特に大きいビジネスを手掛けている会社にもなると、関係部署も多くなり、その都度組織間の壁をうまく調整し、人間関係も意識して根回ししたりと本当に大変です(というか大変でした)

一方でベンチャー企業になるとそのような壁を感じることはほとんどありません。

勿論、50人以上の規模になると部署という概念はあるのですが、みんな会社のミッションに共感して、より良くするために何ができるかということを考えていてポジショントークはほとんどありません。

部活や文化祭前夜のような雰囲気で働けるので、非常に風通しも良く、フラットな環境で働くことができます。

自己裁量で施策を実行できる・チャレンジの機会が多い

大手企業だとひとつの施策を打つのに、上司の決裁が必要だったり、また根回しが必要だったりと、ワンチャレンジをするまでに時間と労力がかかります。

稟議なども不必要じゃないかと思えるほど多く、自己裁量というよりも責任分散をしつつ仕事を進めるということが多いです。

一方でベンチャー企業では稟議なんてほとんどありません。もちろん重要な意思決定に関わることは上司に相談しますが、それも大それた稟議起案書や提案書を準備するようなものでもありません。

ある程度仕事を経験し、信頼を獲得できれば、状況に応じて自己裁量で意思決定し、事後報告でも問題ないといった環境です。(しかも3ヵ月もちゃんと働けばある程度みんな信頼してくれます)

このような環境では必然的にチャレンジの回数も増えるので、自己裁量で動いてチャレンジしていきたいという人には大きなメリットかと思います。(もちろんその分自己責任マインドは必要ですよ)

ポジティブな環境で働ける

大きい会社に属していると、度々上司と共に飲みに行ったり、行動を共にしたリということがあると思います。

私が嫌だなと感じていたのは、その時の話題の大半が愚痴と組織人事にあることでした。

正直時間がもったいないと思っていましたし、気分の滅入ることが多かったです。飲み会とか大嫌いでした。

でもベンチャー企業に転職してから思ったことは、飲み会も楽しいということ(笑)

みんなポジティブで誰かを悪く言うことは無いし、「どうやって良くしていくか」ということを話せます。

また、年も近い人が多いので仕事に関係なく楽しく遊んだり、常にポジティブなマインドでいれたのはとても良い環境だったと思います。

働く環境が変わるとこんなにも楽しいのかと感じたことを覚えています。

事業全体を意識して仕事することができる

そもそも事業全体を見たいと思っているのかにもよりますが、ベンチャー企業は事業が小さいことも多く、部門間の壁も少なく、他の部門が何をしているかも理解しやすい環境です。

小さい事業であれば、事業全体の構造も理解しやすいですし、それぞれの部門の価値も理解しやすいです。これにより、自分の存在意義も理解して仕事ができるのでモチベーション維持には非常に良い環境です。

大きい会社にいると、組織も事業も大きすぎて、場合によっては事業全体の中で自分がどこを担っているのかすら分からなくなることがあります。

私の同期なんて「自分の仕事がどうお客さんの役に立っているのか分からない」「どこで使われているのかも分からない」と言っていました。

事業全体どころか、自分の仕事が何なのかすら分からない状況に成りうるのが大手企業のツライところだと思います。

ベンチャー企業に転職するリスク・デメリットとは

ここからは大手からベンチャー企業に転職する際のリスク・デメリットについてです。

大きいビジネスの経験はできない

ベンチャー企業というのは基本的に小規模のビジネスを行なっていることが多いです。

大きな仕事は大きい会社、マンパワーのある会社、豊富な資金と実績のある会社でないと任されないのが通常なのでしょうがないですね。

もし、「いずれは大きい仕事をしたい!」という想いがあるのであれば、将来的に大手企業に戻るためのルートを確認しておく必要があります。

いつか大手企業に戻るということを想定するのであれば、なるべく若い段階でベンチャー企業に転職しておくと良いかと思います。

今から5~10年くらい経ってから大手企業に戻ろうとすると、採用時の意思決定者の価値観は今の30代後半から40代くらいの価値観になります。

この世代は転職に対してネガティブなイメージを持つ人もまだいるのが正直なところです。

しかし、若い間のチャレンジであれば割と多めに見てくれるので、ベンチャーへのチャレンジは若いうちにしておきましょう。
※実際に私が大手に帰還できたのは30代未満だったことも大きいと思っています

大手に戻ることも考えているけど、ベンチャーで経験も積みたいという方は早い段階でエージェントに相談しましょう。
※おススメの転職エージェントの記事は後日作成予定です

年収の見通しが付きにくくなる

ベンチャー企業に所属すると年収のモデルケースが存在しないことがほとんどです。

若いうちは特に問題に感じないですが、アラサーくらいの年齢になると、今後の人生プラン、ライフイベントについて意識し始めます。(早い人はもっと早く意識しているでしょう)

その際に、例えば35歳になった時にどれくらい年収が上がっているかが想像できないと結構不安になります。少なくとも私は不安になりました。

また、事業業績によって年収は結構上下します。ボーナスが出ないなんてことも普通にあります。

結構不安定な状況なので、これに耐えるメンタリティは必要になります。

組織が小さいため同僚と会わなかったときの異動が使えない

ベンチャー企業は組織が小さいです。上で伝えたメリットもあるのですが、仮に同僚と相性が良くなかった場合に部門移動ができない可能性もあります。(というか部署を移動しても、その同僚との関係が続くことが多い)

大きい会社であれば、部署異動して人間関係をリセットすることも可能ですが、ベンチャーでは必ずしも人間関係のリセットはできないので、この点はリスクとして認識しておきましょう。

社会的信用は落ちる

これから住宅の購入だったり借り入れをする可能性がある方は社格も重要になるので、その点は事前に意識しておきましょう。

やはり大企業の看板があると、銀行側もお金を貸しやすいです。

今後のライフイベントも考慮した上で、ご自身にとって社会的信用がどの程度重要かも意識しておきましょう。

また、領収書を書いてもらう時に何度も社名を聞き返されたりします。大手にいたときは口頭で伝えるだけでササっと名前を書いてもらえたのに、ベンチャーに勤務の時はサッと名刺を出して領収書に書いてもらうという流れになります。

細かいことですが、結構めんどくさいです。

家族や親せきから非難される

大きい会社に就職すると、家族や親せきは安心します。

一方で大きい会社を辞めてベンチャーに行くとなると、めちゃくちゃ反対してきます。

ここら辺は個々人のキャリア設計によりますし、しっかりと説明することで非難を回避することもできますが、結構体力を使います。

私の場合は自社に残り続ける方がリスクが大きいことを説明したり、転職を考えた経緯を説明してしぶしぶ納得してもらいました。

私の経験上、親世代の説得は結構きついです。

たぶん彼女や嫁さんの説得の方が簡単だと思います。

世代間の価値観格差による影響だと思います。

見てる世界やこれから迎える時代を冷静に見れてるのは僕ら世代の人間の方が多い印象です。

リスクやデメリットは事前調査で避けられる

私の経験をもとにした注意点はまとめてあります

いくつかネガティブな点を伝えてきたが、基本的にこれらのリスクは転職前にきちんとした情報収集ができていれば避けることができる。

私自身が転職する際に注意した点と、転職後に「もっと調べておけばよかった・・・」と感じた点は「【要確認】大手からベンチャー転職で確認すべき16の注意点」にまとめているので是非参考にしてください。

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さいごに

大切なのは納得感を持って転職すること

全てが完璧な転職というのはあれば良いですが、正直なところそれは難しいです。

なので大切なのはご自身の価値観で納得感を持って転職することです。

納得感を持って転職するためには自分としっかり向き合うこと、下調べをしっかり行うことが必要です。

本ブログでは私が大手からベンチャー企業に転職して感じたことや経験したことを基に、転職における注意点や、リスクを減らす方法、働き方のリアルをお伝えしているので、是非参考にしてください。

今回の記事があなたのキャリア構築の参考になれば幸いです。